狩猟免許試験は何が出る?知識・適性・技能の3試験の内容と合格基準

狩猟免許試験は1つの試験ではなく、適性・技能・知識の3本立てです(鳥獣保護管理法第48条)。しかも3つとも基準の決まり方が違います——知識は「30問中何問正解したか」、適性は「数値を満たすか満たさないか」、技能は「100点からいくつ引かれたか」。ここでは環境省と法令の一次資料をもとに、それぞれで何をすれば合格で、何をすると落ちるのかを整理します。

最終更新:2026年8月8日

ご利用にあたって:本ページおよびアプリ「銃猟ウカール」は、政府・環境省・警察庁・各都道府県のいずれとも関係のない、個人開発の非公式サイト・アプリです。とくに技能試験の減点の配点は都道府県ごとに定められているため、本ページの点数は代表的な目安です。必ず受験する都道府県の実施要領をご確認ください。

1試験は3つ。1つでも基準に届かなければ不合格

鳥獣保護管理法第48条は、狩猟免許試験を次のように定めています。

狩猟免許試験は、環境省令で定めるところにより、狩猟免許の種類ごとに次に掲げる事項について行う。
一 狩猟について必要な適性 / 二 狩猟について必要な技能 / 三 狩猟について必要な知識
試験形式合格基準対策のしかた
適性試験視力・聴力・運動能力の検査基準の数値を満たすこと事前に眼鏡・コンタクトを用意しておく(勉強では変えられない)
知識試験三肢択一 30問・90分正答率70%以上(21問以上)独学で十分に対策できる部分
技能試験模擬銃などを使う実技持ち点100点から減点し70点以上手順を頭に入れたうえで予備講習で体に入れる
3つは足し算ではありません。知識試験が満点でも、適性試験の視力に届かなければ免許は交付されませんし、技能試験で30点減点されればその時点で不合格です。「どこで落ちる人が多いか」を先に知って、それぞれ別の準備をする必要があります。

出典:e-Gov法令検索「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」第48条環境省「狩猟免許を取得する」

2適性試験——ここは勉強では変えられない

適性試験は視力・聴力・運動能力の3項目です。環境省の案内による基準は次のとおりです。

項目第一種銃猟・第二種銃猟わな猟・網猟
視力両眼0.7以上、かつ片眼それぞれ0.3以上両眼0.5以上
聴力10メートルの距離で90デシベルの警音器の音が聞こえること
運動能力四肢の屈伸、挙手及び手指の運動等が可能であること
銃猟だけ視力の基準が二重になっています。わな猟・網猟は「両眼0.5以上」の1つだけですが、銃猟は両眼0.7以上に加えて、片眼それぞれ0.3以上という条件が付きます。つまり片方の目がほとんど見えない場合、両眼の視力が足りていても銃猟の基準は満たせません。これは狙いを定めるときの距離感に関わるためと考えられます。

視力は眼鏡やコンタクトレンズによる矯正で構いません。普段は裸眼で過ごしている方も、試験当日は必ず眼鏡等を持参してください。

なお、身体の状態によっては免許に条件が付くことがあります。法第42条は「管轄都道府県知事は、狩猟の適正化を図るため必要があると認めるときは、狩猟免許に、その狩猟免許に係る者の身体の状態に応じ、その者がすることができる猟法の種類を限定し、その他狩猟をするについて必要な条件を付し、及びこれを変更することができる」と定めています(=一律に不可とするのではなく、条件付きで免許を出す仕組みがあります)。

2種類を同時に受けても、適性試験は1回で済む

同法施行規則には、2種類以上の狩猟免許試験を併せて行う場合の「みなし規定」があります。第一種銃猟免許または第二種銃猟免許の適性試験を行ったときは、その人については他の種類の狩猟免許に係る適性試験も行ったものとみなされます(網猟・わな猟のみを受ける人については、網猟またはわな猟の適性試験を行えば同様にみなされます)。

要するに、いちばん基準の厳しい銃猟の適性試験に通れば、わな猟・網猟の適性は自動的に満たしているという扱いです。第一種銃猟とわな猟を同時に受けるとき、適性検査を2回受ける必要はありません。

出典:環境省「狩猟免許を取得する」鳥獣保護管理法施行規則同法第42条

3知識試験——30問90分・21問以上で合格

環境省の案内では、知識試験は計30問・制限時間90分、合格基準は正答率70%以上です。三肢択一なので、実際には30問中21問以上の正解が必要になります。

落とせるのは9問まで。90分で30問なので1問あたり3分あり、時間には余裕があります。差がつくのは法令の細かい数字鳥獣の判別です。「なんとなく読んだ」では選択肢を絞れません。

出題される分野

各都道府県は狩猟免許試験の例題を公表しており、おおむね次の分野から出題されます。

すでに他の狩猟免許を持っている方は、知識試験の大半が免除されます。有効期間内の狩猟免許を持つ人が別の種類を受ける場合、免除されるのは「知識試験(猟具に係るものを除く)」で、残るのは猟具に関する問題だけです。千葉県の令和8年度の案内では、この場合の知識試験は30分・猟具に係る問題のみと明記されています。詳しくは受験資格と欠格事由のページをご覧ください。

出典:環境省「狩猟免許を取得する」千葉県「令和8年度狩猟免許試験のご案内」

4技能試験——「点を取る」ではなく「引かれない」試験

技能試験は持ち点100点からの減点方式で、終了時に70点以上残っていれば合格です。環境省は「70%以上の得点(30点減点で失格)」と案内しています。

発想を切り替えてください。知識試験は「21問取りに行く」試験ですが、技能試験は「30点を引かれないように守る」試験です。うまくやって加点されることはありません。だから対策は「上手にやる練習」より「大きく減点される動作を絶対にやらない練習」が先になります。

第一種銃猟の技能試験で行われること

課題内容
銃の点検薬室を開き、実包が入っていないこと・異物がないことを確認する
分解・結合中折式散弾銃などを分解し、再び組み立てる
装填・射撃姿勢・脱包模擬弾の装填、据銃の姿勢、実包を抜く動作
団体行動・休憩複数人で移動するとき、休憩するときの銃の扱い
距離の目測目標物までの距離が300m/50m/30m/10mのどれかを答える
鳥獣判別提示された鳥獣が狩猟鳥獣か否か、狩猟鳥獣ならその名前を答える

第二種銃猟(空気銃)の場合は、装薬銃特有の課題がなくなり、圧縮操作・装填・射撃姿勢が中心になります。また鳥獣判別は鳥類のみで、獣類は出題されません(第二種銃猟免許で使える空気銃の対象が限られるためです)。

とくに大きく減点される動作

点検や確認は、声に出して指差しで試験官に示してください。黙って目視だけで済ませると「未実施」と受け取られることがあります。約31点の減点は、それだけで不合格になる大きさです。
※上記の点数はあくまで代表的な目安です。減点の配点は都道府県ごとに定められています。必ず受験する都道府県の実施要領をご確認ください。

出典:環境省「狩猟免許を取得する」(合格基準)/減点の目安は各都道府県の技能試験実施要領および一般的な受験案内による

5第一種と第二種で、試験の中身はどう違うか

第一種銃猟免許第二種銃猟免許
使える猟具装薬銃(散弾銃・ライフル銃)および空気銃空気銃のみ
受験できる年齢20歳以上(網猟・わな猟は18歳以上)
適性試験同じ(両眼0.7以上かつ片眼0.3以上)
知識試験30問90分・70%以上。猟具の分野が銃の種類に応じて変わる
技能試験の鳥獣判別鳥類・獣類の両方鳥類のみ
手数料1種類につき5,200円(2種類同時なら10,400円)
第一種銃猟免許は第二種の範囲を含んでいます。法第39条第4項は「第一種銃猟免許を受けた者は、装薬銃を使用する猟法により狩猟鳥獣の捕獲等をすることができるほか、空気銃を使用する猟法により狩猟鳥獣の捕獲等をすることができる」と定めています。将来的に散弾銃も使うかもしれないなら、はじめから第一種を受けるほうが結果的に手間も費用も少なくなります。

出典:鳥獣保護管理法 第39条環境省「狩猟免許を取得する」

6試験に受かっても、銃はまだ持てません

狩猟免許は「狩猟という行為をしてよい」という都道府県知事の免許です。これに対して銃そのものを持つには、銃刀法にもとづく公安委員会(警察)の所持許可が別に必要で、講習会・考査・射撃教習など、まったく別の手続きを踏みます。

「狩猟免許試験に合格した=散弾銃を買える」ではありません。2つは所管も根拠法も別の制度です(狩猟免許=都道府県知事・鳥獣保護管理法/銃砲所持許可=公安委員会・銃刀法)。名前が似ているため取り違えが起きやすいところです。

銃砲所持許可の手続きそのものについては、当サイトでは扱っていません。姉妹アプリ「猟銃許可トールEX」が所持許可の講習考査を専門に扱っていますので、そちらをご覧ください。

※本サイト(銃猟ウカール)は狩猟免許試験を、姉妹アプリ(猟銃許可トールEX)は銃砲所持許可を担当し、役割を分けています。

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3つのうち、独学で伸ばせるのは知識試験

適性試験は勉強では変えられず、技能試験は予備講習で体に入れる部分が大きい。点数を自分で動かせるのは知識試験です。三肢択一の練習アプリ「銃猟ウカール」は、第一種銃猟・第二種銃猟の両方に対応し、全問に解説を付けています。

出典・参考にした公式発表