狩猟免許は誰が取れる?受験資格・年齢・欠格事由と試験の一部免除
狩猟免許の受験資格は、意外なほどシンプルです。学歴も、実務経験も、講習の修了も、条文上の要件にはありません。あるのは年齢と、鳥獣保護管理法第40条が定める6つの欠格事由だけ。ここでは条文をそのまま引きながら、誰が受けられて誰が受けられないのか、そしてすでに免許を持っている人がどれだけ楽になるのかを整理します。
最終更新:2026年8月8日
1年齢——銃猟は20歳、網猟・わな猟は18歳
鳥獣保護管理法第40条第1号は、こう定めています。
この年齢をいつの時点で判定するかは都道府県の実施案内によりますが、「試験日現在」としているところが多く見られます。誕生日が試験日の直後という方は、受験する回を1つ後ろにずらす必要があるかどうか、必ず都道府県に確認してください。
2欠格事由は6つ——条文にあるのはこれだけ
法第40条第1項は「次の各号のいずれかに該当する者に対しては、狩猟免許(第六号の場合にあっては、取消しに係る種類のものに限る。)を与えない」として、6つを挙げています。
| 号 | 条文の内容 |
|---|---|
| 一 | 網猟免許及びわな猟免許にあっては18歳に、第一種銃猟免許及び第二種銃猟免許にあっては20歳に、それぞれ満たない者 |
| 二 | 精神障害又は発作による意識障害をもたらし、その他の狩猟を適正に行うことに支障を及ぼすおそれがある病気として環境省令で定めるものにかかっている者 |
| 三 | 麻薬、大麻、あへん又は覚醒剤の中毒者 |
| 四 | 自己の行為の是非を判別し、又はその判別に従って行動する能力がなく、又は著しく低い者(前三号に該当する者を除く) |
| 五 | この法律又はこの法律に基づく命令の規定に違反して罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から3年を経過しない者 |
| 六 | 第52条第2項第1号の規定により狩猟免許を取り消され、その取消しの日から3年を経過しない者 |
第5号の読み方——「前科があると一律にダメ」ではない
第5号が対象にしているのは「この法律又はこの法律に基づく命令の規定に違反して」罰金以上の刑に処せられた場合です。つまり鳥獣保護管理法まわりの違反が対象で、あらゆる犯罪歴が一律に該当するわけではありません。期間も「執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から3年」と限定されています。
第2号の「環境省令で定めるもの」について
第2号の具体的な病名は環境省令に委ねられており、各都道府県の実施案内では「統合失調症、そううつ病、てんかん、麻薬・大麻・あへん・覚醒剤の中毒など」といった形で案内されています。該当するかどうかの判断は診断書によります。治療の状況によっては免許を受けられる場合もありますので、自己判断で諦めず、必ず医師と都道府県の担当窓口にご相談ください。
また法第42条は、身体の状態に応じて「その者がすることができる猟法の種類を限定し、その他狩猟をするについて必要な条件を付し」て免許を与えられることを定めています。一律に不可とするのではなく、条件付きで免許を出す仕組みが用意されています。
3申請先は「住所地の都道府県」だけ
法第41条は次のとおりです。
「隣の県のほうが日程が早いから、そちらで受ける」ということはできません。日程は必ず自分の住所地の都道府県のページで確認してください(→試験日程と申込みのページ)。
一般的に、申請には申請書・写真・医師の診断書・手数料が必要です。診断書は様式や有効期限が都道府県ごとに決まっているため、申込期間が始まってから取りに行くと間に合わないことがあります。日程を押さえたら、まず診断書の要件を確認するのが確実です。
出典:鳥獣保護管理法 第41条
4すでに狩猟免許を持っている人は、試験も手数料も軽くなる
法第49条は、次のいずれかに該当する者について狩猟免許試験の一部を免除することができると定めています。
| 該当する人 | 免除される試験(施行規則第56条) |
|---|---|
| 第1号:既に狩猟免許を受けている者で、その有効期間内に、それ以外の種類の狩猟免許について試験を受けようとする者 | 知識試験(猟具に係るものを除く)=残るのは猟具に関する問題だけ |
| 第2号:災害その他環境省令で定めるやむを得ない理由のため、有効期間の更新を受けなかった者 | 技能試験および知識試験(=事実上、適性試験だけになる) ※事由がやんだ日から起算して1か月以内に、該当する旨と事由がやんだ日を証する書類を添えて免許申請書を提出した場合に限る |
環境省令が定める「やむを得ない理由」には、海外旅行をしていたこと、病気にかかり又は負傷していたことなどが挙げられています。
実際にどれだけ軽くなるか
| 初めて受ける場合 | 有効期間内の免許を持っている場合 | |
|---|---|---|
| 知識試験 | 30問・90分 | 猟具に係る問題のみ・30分(千葉県の令和8年度案内) |
| 技能試験 | あり | あり(免除されません) |
| 適性試験 | あり | あり |
| 手数料 | 5,200円/1種類 | 3,900円/1種類 |
なお、有効期間内の免許があっても技能試験は免除されません。わな猟から第一種銃猟へ進む場合、銃の操作という新しい技能試験を受けることになります。
5有効期間は「3年」ではなく「9月14日まで」
法第44条第1項は、有効期間をこう定めています。
更新した場合の有効期間は3年です(同条第2項)。満了日が必ず9月14日になるのは、狩猟期間(北海道以外は11月15日から)の前に更新を終える設計になっているためです。
更新には適性試験が必要で(法第51条第2項)、講習の受講は努力義務とされています(同条第4項:「管轄都道府県知事が行う講習を受けるよう努めなければならない」)。実務上は多くの都道府県が更新時に適性検査と講習をセットで実施しています。
なお、更新を受けなかった狩猟免許は効力を失います(法第53条)。失効した場合は原則として試験を受け直すことになりますが、災害等のやむを得ない理由による場合は前節第2号の免除が使えます。
6不正受験のペナルティは「3年以内の受験停止」
法第50条は、不正の手段によって狩猟免許試験を受け、又は受けようとした者について、試験の停止・合格決定の取消しができるとし、さらに第3項でこう定めています。
合格が取り消された場合、その狩猟免許は通知を受けた日に効力を失います(同条第2項)。
出典:鳥獣保護管理法 第50条
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*出典・参考にした公式発表
- e-Gov法令検索「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」——第40条(欠格事由)、第41条(申請)、第42条(免許の条件)、第44条(有効期間)、第49条(試験の免除)、第50条(試験の停止等)、第51条(更新)、第53条(失効)
- e-Gov法令検索「同法施行規則」——第56条(試験の免除の内容とやむを得ない理由)
- 環境省「狩猟免許を取得する」——受験資格・手数料5,200円
- 東京都環境局「狩猟免許試験について」——手数料5,200円/一部免除3,900円
- 千葉県「令和8年度狩猟免許試験のご案内」——一部免除時の知識試験は30分・猟具に係る問題のみ
- 岩手県「令和8年度狩猟免許試験の実施について」——他免許保持者の手数料3,900円